博士号取得大作戦! -presented by Mika- -5ページ目

ムダ!ムダ!ムダ!!



ここしばらくの間、自分の進路について激しく悩んでいる。


うつ病はもう、ほとんど克服したと言っていいだろう。

過度に落ちこむ日はほとんど0になり、

ちょっと落ちこんだ時の立ち直りも、とても早くなった。

そろそろ、社会生活に復帰する時期だと感じる。


すでにフリーライターとして、

ボチボチ社会復帰を始めているが、大学はどうする?

うつ病という「病気」のために休学しているのだから、

病気が治れば復学するのが筋だ。


しかし、どう復学する?

α教授は、β主任の元から私を回収する気はなさそうだ。

β主任の元に戻るくらいなら、死んだ方がマシだが、

β主任の研究室へ、アメリカから凱旋帰国した研究員の方が

そこそこイイ感じに研究を進め始めているようなので、

そこに潜り込むか?


いや、元はといえば、

指導教官の元で研究をせず、常に里子扱いになっていた

私の被指導スタイル自体に問題があるのではないか?

だとすれば、β主任の下にいる研究員の元に行くなんて、

よけい問題をややこしくするだけだ。

それなら、α教授を説きふせて、α研究室に入れてもらう?


α教授は「比較的」マトモな人物だが、

落ちこぼれにはかなり冷たい対応をとる。

本人はそのつもりはないのかもしれない。しかし、

無策な彼のもとからは、毎年のように

自信をなくした大学院生がぽろぽろとこぼれ落ちる。


私も、こぼれ落ちそうな大学院生なのだが、

別段フォローされるわけでもなく、

休学中は完全にほったらかし。

これはしかし、ビッグラボに入った学生に対する

当たり前の処遇だと、今なら理解できるが、

それでも休学中の一番辛いはずの時期に

たった一言のねぎらいもないという事実が、

復帰後の生活に対する不安を加速させる。


他の大学を再受験するという選択肢もある?

そうかな、新しい環境に移ればうまくいくのかな?

でも今までだって、よりよい環境を探しまわって、

やっと見つけたラボが、α教授のラボで、

私以外の他の人は、結構楽しそうにうまくやってて、

でもそこですら私は、一人で窮地に立っていて、

つまり、

こんな困った状況に自分を置いているのは、

他ならぬ自分自身じゃないのか。


そもそも、私の目的はいったいどこにあるのだ??

博士号を取って、それでどうする??

取らなくても、本当はいいんじゃないのか??


あ~~~、わからん。

どうしたらいいのか、まったくわからん。



かつての私は、どうにも分からなくなったときに

ただひたすらどうしようどうしようと悩みつづけて、

それで終わりだったが、

脳みそがアップデートされた今の私は、

わからんときにはどうすればいいのか、

ちゃんと分かっている。


わからんときには、とりあえず

いま目の前にあることを、きっちりやること。


先がどうなるのか、まだ全くわからないし、

これといった決定的なアイデアもなくて不安だけれど、

いま目の前にある仕事を、とりあえずしっかりやろう。



これ以上悩むのは、ムダ!


論文捏造は×、では特許データ捏造は?


まずは、早稲田大学 松本和子教授の不正問題から。


あろうことか論文の問題も出てきたようです。

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200607060588.html


このニュースをそのまま読むと、

またいろいろと誤解が生じそうなので

ちょっと解説。



上記リンク先から一部引用(asahi.comの記事)

>しかし、別の研究者の実験では、

>蛍光の明るさを示す測定値(量子収率)が、

>論文の半分前後の値しかでなかったという。

>松本教授は朝日新聞の取材に対し、

>研究室内でも値が高すぎるという指摘があった、と

>明らかにした上で

>「通常の実験方法で測定したら、そのような値が

>得られた。実験データは残っている。

>これを高すぎるからといって変更はできない」

>といっている。

>なぜ高い値を示したかの調査は、

>「研究の主目的から外れるのでやらなかった」という。



これだけ読むと「なんて悪いヤツ!!」って

憤慨してしまいそうですが、

これは、研究者的には普通の反応なんです。



実験データを元に論文を書くときには、

もちろん実験で得られたデータをそのまま利用します。

たとえ通常あり得ないように見えるデータが出ても、

再実験して再現されれば、それが真実とみなされます。

(もしかしたら今までにない、大発見かもしれないし)


「これを高すぎるからといって変更はできない」のは、

そのデータを真実とみなして論文を書いたのだから、

ごく当たり前です。


もちろんたまには、別の研究者が追試して、

同じ結果が出ないこともあります。その場合、

その研究者がその追試データを元に論文を書いて、

論文雑誌に「反論」として投稿するのが通例。

それに反論があれば、またさらに論文を投稿して反論。

そうやって論文をつき合わせて議論していくのが、

科学世界の研究ルールになっています。



>なぜ高い値を示したかの調査は、

>「研究の主目的から外れるのでやらなかった」


これも言うなれば当然の反応です。

理想をいえば、なぜこんなに高い値なのか、

そこを詳しく調べれば

新しい現象が見つかるかもしれません。

(これも大発見かもしれないし)

でも不幸にもその時間的・資金的・

人手的余裕がなかった場合、

脇道にそれた研究は、

惜しみながらもあきらめるケースは多いものなのです。



つまり、松本和子教授の言っていることは

至極まとも、至極まっとう。

押しの強い感じでずばずばとしゃべる方なので、

あるいは良い印象は受けないのかもしれませんが、

当該記事の醸しだしている「悪人」の印象は、

かなりねじまがっていると言わざるをえません。



今後どうなるかは、論文データの追試や

実験ノートの検証、

あるいは実験者(中国人研究者)への

インタビュー結果を待たねばなりませんが、

どうなることやら。


--


発覚すると大騒ぎ、その後の研究人生が絶たれる

論文捏造に比べ、

「特許のデータ捏造」は、かなり日常茶飯事です。


私も、会社員時代に

適当なデータをでっち上げて、

特許出願をした経験があります。

会社の上司は当然のように

「適当にそれっぽくデータつくっといて」と私に指示し、

私は、はいはいとうなずいて

ぺらぺらぺら~とそれっぽくでっちあげました。

よく言えば「思考実験」ってやつです。


一見マズそうですが、これは大丈夫。

なぜなら、特許申請は「権利を押さえるための手段」

であって、データの信憑性は

全く問題にされていないからです。


とはいえ最近は、大学で特許を申請するケースも多く、

その申請を根拠に、予算を得ることも多くなっています。

この場合、捏造でっち上げデータの特許で

予算もらっちゃってもいいの?


この質問に対する一つの答えが、

神戸大の特許問題で明らかになりました。


柳沢充弘の休憩時間 7月14日記事


記事によると、関係者は訓戒処分ですんだそうです。

バレたのでちょっと注意しなきゃいけなくなったけど、

まぁ別にあんまり問題ないよ、って感じですかね。


--


特許の捏造データ・神戸大の件に関して

興味がおありの方は、

以下のブログでも詳しく書かれているので

ご参照下さい。


falcon's eye  特許の捏造

ある大学研究者の悩み  特許のデータ

--
昨日の晩酌
・缶チューハイ メルシャン本絞りチューハイ 
グレープフルーツ (6%)
・ウィスキー Glenfiddich 12years (40%)  ロックで。
はい、実はこれもでっちあげデータでした。
昨日は本当は休肝日☆

早大教授不正受給、その後


早稲田大学の教授、松本和子先生だったんですね。

うはー、私、この先生に会ったことありますよぅ。


なんだったかな、何かの研究会で、たまたまご一緒して

何かを食べながらちょこっとお話をした覚えがあります。

女性だし、教授としてバリバリ仕事されてて

実績もある方でしたよ。


ご本人はちゃきちゃきしていて、

ずばっと物言うタイプの女性です。

研究会でもずばっと真理をついた発言をなさっていました。

ちらちらと悪い噂みたいなものも耳にはいっていましたが、

(研究室の人がどんどん辞めていく、とかね。)

いやはや。



このニュースを受けてか、

文科省が研究費の不正対策に乗り出すようですね。


研究費不正対策、全国の大学を調査へ 文科省

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606140844.html


不正をする人はもちろん罰せられるべきですが、

不正がなぜ生まれるか、そこのところを

ぜひしっかり調べていただきたいと思います。




松本教授がしきりに「学生のためにプールしたお金だ」と

言っているのは、うそではないと思います。


読者の方はご存じかどうかわかりませんが、

研究活動には本当にお金がかかります。

実験のための試薬・機器の他にも、

・論文誌への会員登録費用

(登録しないと論文が投稿できない)

・学会への所属費(所属しないと学会を見にいけない)

・学会参加への旅費

(学会発表するには、その場所へ行かなきゃいけない。

その度に、日本全国・世界各国への旅費が必要)

などなど、一回数千円~数万円単位で

その度ごとに雑費として出ていきます。


本職の研究者(ポスドク含む)には、これらの雑費が

所属機関等から支給されるケースもありますが、

学生には、そういう制度は全くありません。


博士号を取るためには、論文や学会発表などで

研究者としての経験を積まなければならないのに、

そのための費用は全部自腹。

研究してたら、もちろんアルバイトをするヒマなんて

全くありません。(寝るヒマもないのに)

たまたま助成金や学振が当たった学生なら

財政的になんとかなりますが、

応募してもダメだった学生は、相当厳しいんです。


学生と言ったって、博士課程ともなれば

24~27歳のいい大人ですよ。

いい大人だけど、ろくな給料も得られずに

必死に研究活動しているカワイイ学生が、

学会費用が払えなくて学会に行けません、

って泣きついてきたら。

あなたが教授だったら、どうします?



別の用途のお金が余ってたら、

こっそり回しちゃおっかな、って、

思ったりしません?



もちろん、これをやってしまうとアウトです。

文科省の研究予算は、国民の税金ですから。

だから、松本教授は、

当然罰せられなければいけません。



でも、学生の厳しい現状は、わかっていただきたい。

日本のこれからの研究をになうであろう人材を

育てるシステムとしては、

現状はあまりにもお粗末では?

(COEで少しはマシになったけど、

COEの恩恵を受けられない学生も大勢います)

科学技術立国が聞いてあきれますよ。


実際、気の毒な学生を

教授自らポケットマネーで救っている例は

たくさんあります。

でも今は世知辛い世の中になっていますし、

教授の余裕はどんどんなくなっていっています。

そういう美談に頼るばかりでは、

どこかでいずれ崩壊します。

(というか、崩壊はすでに始まっている)




--

◆ニュースリンク集◆


早大、教授の研究費「私的流用」認める 懲戒処分へ

(要するにクビ)

http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY200606230539.html


文科省、研究費不正流用で早大調査 省内に対策チーム

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606260428.html


流用の早大教授、2年前にも架空取引疑惑 大学報告せず

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606230599.html


あれから


最近のできごと、まとめて報告。


◆博士号を取って研究の世界に戻るため、会社を辞めて

博士課程に戻ると言っていたシステム構築屋の彼 が、

進学を断念していたことが判明。


理由は、進学先の先生から

「今まで仕事でやっていたことを生かして、

○○のシステム構築をやってくれないか」

と言われたためだそうな。


あー、それじゃあ、会社やめてまで

大学に戻る意味がないよねぇ。

研究をしたいから戻るのに、

これじゃ単なるただ働きだもん。

やれやれ。



◆以前いた研究室(派遣先2)は

元からいたポスドクたちが次々と辞め、

人材が総入れ替え状態になったらしい。

残っているのは40歳過ぎのワケありポスドクさんと、

学位のない研究補助員さんのみ。


しかしこの春から、また新しく3人ほど

ポスドクが雇われたらしい。

しかも、みんな中国出身。


秘書さんは「なんでこんなにひどい先生なのに

新しく人が来るのかしら?

やっぱり、論文とかの数がすごいから?」

と、しきりに首をひねってました。


そうなんですよ、世の中そういうもんなんです。

でも多分またすぐ辞めていくと思いますよ。

私は首をひねりつづける秘書さんに、

軽くそう説明しておきました。



◆そろそろ、春からの休学期間

3ヶ月が満了しようとしてます。

今回は、さらにもう一回3ヶ月の休学を申請します。


派遣先2のβ主任のワルさ加減が、

ようやく研究所内の上の方の人にまで

噂としてひろまってきた、という情報を手に入れました。

直接の指導者であるα教授の耳に入る日も

そう遠くないかもしれません。


「β主任はヘンな奴だったんだね、

そんなところに行く羽目になって、大変だったね」

なーんて、α教授から

ねぎらいの言葉が降ってきたらいいのにな。

無理だな。



--


今日の晩酌

・白ワイン

オムレツ屋さんでひとりのんびりリラックス。



いいぞ!サイエンスポータル

JST(独立行政法人 科学技術振興機構)が作った

サイエンスに関するポータルサイト、ついに完成。


http://scienceportal.jp/portal/



いいわ、これ!


主なコンテンツはこんな感じ。


・サイエンス関連ニュース

・研究資金の公募情報

・研究職の求人公募情報

・研究報告会等のイベントカレンダー


他にも、ノーベル物理学賞受賞者の

スペシャルインタビューが載ってたり、

科学の世界に生きる人、垂涎のネタが満載!

いいぞ!サイエンスポータル!

私もこれからちょくちょく見よっと。


不正受給と内部告発

朝日新聞 6/15 夕刊にこんな記事が出てましたね。

「早大理工学部 教授、不正受給か」
http://www.asahi.com/national/update/0614/TKY200606140171.html


>早稲田大学理工学部の教授が文部科学省の

>研究費を不正に受け取っていた疑いがあるとの

>内部告発を受け、早大が学内に調査委員会を

>設置して調査を始めていることが14日、分かった。

>本人は不正を否定している。
中略

>関係者の話では、教授はこのうち、

>学生アルバイトを雇用する名目で大学から

>受け取った金を、実際にはアルバイトを雇用せず、

>本来の目的とは違う使途に流用した疑いが

>もたれているという。流用額は数百万円に上る

>との見方も出ている。



内部告発か、ふーむ。



「こわーい、この教授、悪い人なのねー」なんて

表面だけ見てしまうと、事件の本質が見えなくなりそうなので

ちょっと解説。



--


理系研究社会を直接知らない方は
ご存じないかもしれませんが、

どんな教授・研究主任も、

多少の資金流用(目的外使用)はしてます。

ほとんどの人がしていると言っても言い過ぎではないはず。

というのも、現在の研究資金は、まー、

非常に使いにくいんです。

(モノを買うための予算は余っている一方で

人件費が足りなくても、予算の振り替えが不可能だったり、

その他、いろいろ)



しかし、そういう事実は普通、表面化しません。

それは、不適切な資金流用があると

知っている人全員が、あえて指摘したりしないからです。


たいていの場合、予算の筆頭者(教授・研究主任ら)は

研究室の人たちを守る・または研究環境を守る目的で

やむにやまれず流用を行っています。

研究室の人たちは、自分たちのために流用をしている

予算筆頭者の苦々しい状況をちゃんと知っていて、

かつ感謝しているため、あえて指摘したりはしないんです。

事務方の人たちも、多少ヘンな状況があると

感じていたとしても、

予算筆頭者の大変な現状も理解しているので、

あえてつついたりはしないことが多いのです。



でも今回、早稲田の教授が

「内部告発された」という事実から見ると、

もしかしたらこの教授、だれかに恨みを買うような行動を

日頃からしていたのかも。

どんなに恨んでいても、雇われていた研究者は

内部告発しにくいですから、

もしかしたら事務方から告発されたのかも。。。

うーん。



--


もちろん、不正をやってしまったこの教授は

責められても仕方ありませんが、

予算を一円単位まで研究者自身に

勘定させ、管理させるのは

ほぼ不可能だし、非効率だと私は思います。


そういう金勘定がもともと得意なら、

研究者にならずに会計士にでもなっていますよ。

会計士になれないから、研究者をやってるんです。



研究者には、細かい金勘定までは任せずに

研究の発展にもっと力を注がせて、

予算のことは別の人にうまく管理してもらうか、

予算の来年度持ち越しも許したりするなど

少しは使用方法をゆるくしないと、たちいかなくなりそう。


研究者たちはもうすでに、

「自分の雇用の確保」

「研究業績のための実験・論文執筆」

でいっぱいいっぱいなんですってば。

この上予算の使い方まで

さらにぎゅうぎゅうに締め上げたら、

クリエイティビィティどころじゃありませんよ、

ホントに。



政府の方々にも、

現状をもう少し知ってもらいたいものです。



ここらでちょっと軽くしてみよう


こんにちは、未果です。

いつもブログに立ち寄ってくださって、

本当にありがとうございます。


実は簡易アクセス解析をつけさせていただいているのですが、

レポートを見る限り、このブログへのアクセスは

実に7割強が、熱心なリピーターの方で占められています。

驚くと同時に、いつも感謝の気持ちでいっぱいです。


どのあたりの記事が参考になっているのか

イマイチ分かりません(こっそり教えてください!(笑))が、

今後も何かをがんばって書いてみようと思うので、

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



--


さて、最近重たい話題ばっかりだったので、ここらで

一つ軽いお話をしてみたいと思います。



こないだ、バイト先のとある会社の営業所で、

トップの方の異動に伴い、送別会をすることになりました。

会の席の目玉、今までの感謝のしるしとして

みんなで色紙に一言づつ書いて渡すことになり、

いよいよ私にも、「色紙に一言」の役が回ってきました。


色紙を目の前にして、しばし呆然。

はて、何を書いたらよいのでしょう。

お世話になっていないわけではないけど、

かといって、具体的にお世話になった

エピソードが思いつきません。

なんたって普段は、全く接点がないのです。


参考にしようと思って、他の人が書いたものを読むと、

「雇ってくださって、とても感謝しています」

「私なんかに目をかけてくださって、ありがとうございます」

「あなたに大チャンスをいただきました、

感謝してもしきれません」

みたいな文言がずらりと並んでいました。



えっ、このトップさんって、

そんなにものすごく感謝されていたんだ??!!

普段はわりとぽへっとしてて、

何を考えているのかよく分からないなぁ、と思っていたけど、

実は他の人にはすごく良くしている、

すばらしい人だったんだ!

知らなかった!!



さて、私は何を書いたらいいんだろう。

もちろん、感謝してないわけじゃないけど、

なんか違う。

他の人が書いてるくらいの強い気持ちが見つからない。

私はこの人に何を書いたらいいんだろう。


色紙に書くほどの強い思いが全く思い当たらず、

ネタに詰まり、とうとう

「営業所の所訓を作ったあなたは、すばらしい」

みたいなことを書いてしまいました。


(どう考えても偉そうですが、

これ以外に何も感じていなかったため、

書くことが本当に思いつかなかったのです)



その後、色紙で大感謝の気持ちを書いていた

別のアルバイトの人に、

「実はこっそり色紙の言葉を読んだんだけど、

すごい感謝してたんだね、知らなかった」

と話しかけると、

「まぁ、感謝してないことはないからね。

ちょっと大げさに書いた方が、盛り上がるじゃん」

との返答が帰ってきました。


ええっ!?そんなもんなの?!

「わたしなんかを拾ってくれて~」とかって、

すっごい感謝じゃないの?!

それくらいの気持ちしかなかったなんて!!



「色紙」って、今まで伝えられなかった

本当の気持ちを告白する、

いわば「ラブレター」みたいなものなんだと

思ってたんですが、

ぜんぜん違うんですね~



そうかぁ~大人の世界では、

色紙すらも社交辞令の一つなんだ。

この年になって、初めて知りました。

いつまで経っても大人にならない未果、

行き着く先はいずこ?



--

昨日の晩酌

・カップ酒 沢の鶴 純米原酒 (16度)

最近流行りのカップ酒、我が家にもいよいよ登場です。

日本酒ブーム再燃なるか?!

仲間はずれと不正データ

とある方のブログを読んで、思い出したことがある。

そういえば私も、修士の頃は

直接の指導者(博士持ちの研究者で研究グループの主催者、仮に”タヌキ”とする)から激しく仲間はずれにされてたよ。



気づいた時には、タヌキ主催の研究グループの飲み会には、一切声を掛けられなくなってた。

他の学生には許されていたいくつかのことも、私だけはダメだったりした。


理由はよくわからなかった。

私はバカ正直だから、

研究にもバカ正直でありたいと思っていたことが原因だったのかもしれない。

当時の私は、研究世界は100%善意でできた正直な世界だと思っていたし、ヘンだと思ったらバカ正直に色々つっこむのが良いことだと信じて、疑っていなかったから。



例えば、タヌキが、

研究に関するデータを自分の解釈に都合良くねじ曲げたり、

数回の実験の中で一番いい結果、

すなわち自分の予想に一番近い結果だけを

「チャンピオンデータ」と称して

それだけを発表させようとした時。

いつも私だけ、「それでいいんですか?」と抵抗していた。

(でも結局はチャンピオンデータで発表してしまう私。

研究について、ろくに分かっていなかった。)



例えば、学会のポスター発表で

実際に手を動かして実験したポスドクの女性(修士卒)の名前が載らず、その研究に関する実験は全くしていない男性のポスドク(修士卒)の名前で発表することになった時。

人ごとなのにどうしても許せず、

「どうしてなんですか?」とタヌキに詰め寄った。

(結局納得できる答えは得られず、発表は男性ポスドクがした)



また、私はよく研究所内の有名な先生方や、定年間際の技術者の方々、別の研究室の研究者の方々と、

ひんぱんに楽しくお酒を飲みに行っていた。

もしかしたら、他の研究者たちと密に関係していたのが

仲間はずれの原因だったのかもしれない。




理由はともあれ、同じグループ内で実験しているのに

飲み会に全く誘われないのは、本当に辛かった。

全く理屈の通らない理由で実験を制限されたりするのも、本当に辛かった。

それが原因かどうかは知らないが、最終的には修士2年時に鬱を発症。

どうにか修士論文は書いたものの、

心身共に疲れ果てた状態で大学院を修了することになってしまった。





でもね、今になってみると、

あんなちっぽけな世界のグループに

無理して溶け込もうとする必要なんてなかったと思う。



あのグループの人は、タヌキを含めてみんな、

ちっぽけなグループの中での

自分の立ち位置を確保することだけに必死で、

いい研究を遂行することなんて二の次だったし、そうする余裕すらなかった。

そんなグループに入れてもらえなくても、何も問題なかったのだ。

(でも当時の私は不安で仕方なくて、他の人が飲み会から帰ってくるのを見るたびに、とても嫌な気持ちになっていた)



そう。タヌキに雇われた、グループの人たちは皆、

研究内容よりもまず、タヌキのご機嫌を取るのに必死だった。

タヌキに握られている雇用は単年度契約。雇用をまた来年も確保するためには、研究生活で起きた多少の理不尽な出来事にも耐えるしかなかった。

グループの人たちは皆「ポスドク」という名目で雇われていたが、誰ひとりとして博士号所持者はいなかった。博士号を持っていないということは、研究を一人で完結するスキルがないということ。一人では研究を完成させられず、論文も書けず、予算を獲得するスキルもないのだから、ここで首を切られたら行くところがないのだ。

タヌキにされた理不尽な要求、イヤなことや辛いことに対してできるのは、グループ内で愚痴を言い合うことだけ。タヌキのいる前ではタヌキのご機嫌をとり、いなくなったら愚痴を言う毎日。

そうして自分たちだけでちっぽけなグループを作り、

身を寄せ合ってちぢこまっていた。

(なぜか雇用には関係ない学生たちも、自らそういう状態に身を置いていた。来ていた学生は、出身研究室から逃げ出してきたも同然の人か、または何も気にしない人か、どちらかだった)



タヌキからは、都合の悪いことは一切上の人(タヌキの上司、仮に”悪代官”とする)には言わないように指示されていたため、「実験が悪代官の示す理屈通りには進んでいない」ことはみな黙っていた。

悪代官に対する実験報告会はひんぱんに開かれていたが、会の開催前には必ずタヌキから事前招集がかかり、「今回はどの実験データをどのように見せるか」話し合いが持たれていた。一見うまくいっていそうに見える実験データだけを意図的に選び出し、悪代官にはそれだけを報告していた。

(私は、一応会には出席していたものの、いざ報告会で発表の場にたって悪代官につっこまれると「この実験は実は再現性がとれていません」「結果が理屈に合わないので検討中です」などと本当のことをぺらぺらと暴露してしまっていた。バカ正直すぎて、タヌキの気に障ったことだろう)



こんな風に、グループの人に対して妙なプレッシャーを常に与えていたタヌキ自身も、今思えばちょっぴり気の毒だ。

タヌキの雇用を握っていたのは悪代官だったが、

悪代官はどこに行っても「あ~、あの人ね」と後ろ指さされる、

研究所内はもちろん、研究世界でも悪い方にかなり有名な人物だったのだ。

かなりヤバい不正を何度も繰り返している人物の下に、知らずに外部からアプローチし、うっかり着任してしまったタヌキは、

自分の雇用を確保し、自分の家族を守るために、

ただ一生懸命だったのかもしれない。

着任直後の希望に満ちあふれたタヌキの表情、

ずば抜けた頭の良さ、アイデアの豊富さを、ふと思い出す。





グループの所属している研究所は広くて、自由だったのに。

顔を上げればすぐ側に自由な研究の世界が広がっていて、望みさえすればすぐにでも飛び込める環境だったのに。

皆、今ある自分の居場所を守るのに必死で、周りに目を配る余裕がなかったんだ、きっと。

(私だってそうだ。グループ以外にもいろんな研究者とのつきあいがあって、望めばそちらに逃げることもできたのに、逃げ出さなかった。自分に自信がなくて、逃げられなかったんだ)




「でも、どういう事情があるにせよ、

人を仲間はずれにしたり、

実験データに作為を加えたりするのは、人としてダメでしょ。

特に実験に関しては、どんな時でも正面から取り組むのが

研究者の基本姿勢でしょう?」




そんなことは分かってる、分かってるよ。

でも、あの状況は確かに異常だった。

雇用を握っている人間が狂っているだけで、みんなが狂っていく。

和やかな人間関係の中で研究するのがいかに大切なことか。

異常に緊張した人間関係が不正を呼ぶ構図を、かいま見たような気がした。




話がとりとめなくなってしまったが、教訓は2つ。


・自分の思考のまともさを信じ、ヘンだと思うところからはさっさと逃げるべし。

・人は弱い。追いつめられた状態では、実験データに手を入れるのくらいどうとも思わなくなる。




--


タヌキには修士卒業後もさんざん酷い目に遭わされたので、

街で会ってもあいさつなんてしてやらないのだが、


(そしたらタヌキは悪代官の秘書さんに、

「未果さんが俺のことを無視する」と言って相談したらしいよ!

どんだけ厚顔なんですかあんたわ。)


タヌキが論文不正に関与するようになったら、

傷が浅いうちに、早めにタレ込もうと思います。


(今はまだ、論文を書く能力がないようなので、大丈夫そうかな)


研究サバイバル~あなたのボスは「役に立つ」?~


研究者に必要な能力は、研究能力だけではない。

いつかは自分の研究室を持ち、主催者として研究室を切り盛りする立場になることを見越せば、いわゆる「他の人間を動かすマネジメント能力」が必要なことが分かる。

学生は、自分の所属する研究室主催者の指導その他を受けることで、研究室でのふるまいや、共同研究などにおいての人付き合いのルール・マナーを自然に身につけていくのか普通だ。

一番身近にいる研究世界の大先輩と生活を共にする間に、人付き合いの仕方・共同研究の広げ方などの方法を横目で見て、ノウハウを盗みとっていけばいいわけである。



ところがここ最近、マネジメント能力が全くない研究室主催者が増えてきている。

もっとはっきり言えば、人を育てる能力が全くないボスが増えてきているのだ。



博士研究者(ポスドク)を採用したら、採用しっぱなしで指導・ディスカッションなし(というかできない)。他の研究者と交流しようとすると、なぜか邪魔をする。

採用する時にはいい顔をしているのに、その後は実績にならない理不尽な要求ばかり繰り返す。

研究世界についてまだ何も知らない学生を呼び寄せて、論文にならない実験ばかりさせる。

研究室の異様さに気づいたまともな人は当然すぐ辞めていくため、研究室にはいつでも人が足りない。



マネジメント能力がない研究主催者は、その後どうするか。

常に公募で人材募集を出しながら、派遣社員を使い捨て同然で雇いはじめる。

指導力がないため、雇った派遣社員にも指導なし。派遣社員はしがらみがないので、すぐ辞める。

人が足りないのでまた雇う。また辞める。また雇う。すぐ辞める。

永遠にこの繰り返しだ。



こうして人がどんどんどんどん入れ替わるばかりで、研究ノウハウの蓄積が全くない研究室ができあがる。

もちろん、こんな研究室にしてしまったすべての責任は、人を育てる能力を持っていない、研究主催者にある。




マネジメント能力のないボスの元にいて、得られるものは何だろう。

とりあえず今は給料が得られても、その先はあるのだろうか。

マネジメント能力のない研究室主催者は、一般企業で言えば「理不尽な要求ばかり言ってきて業務の指示はしない、社員10名程度の小企業の社長」にあたる。

それでも一般企業なら次の就職に実績はいらないかもしれない。でも、研究の世界では、業務=論文書きが進まないことで即、次の職を得るのが難しくなるのが現状だ。

論文が出せそうにないなら、早めに見切りをつけて、さっさと他に移るべきではないのか。




研究がうまくいかないのは、あなた自身の研究能力が足りないため「だけ」なのか?

理不尽な研究室に入ってしまったのは、あなた自身の責任「だけ」なのか?

「こんな自分を拾ってくれたボスを裏切れない」と思うのは自由だが、いいことは多分ない。見返りも期待できない。

第一印象は10年続くというが、仮にも研究者の端くれなら、その後の状況を冷静に判断し、自分の立ち位置を見極め、今後の方向性を見直せるはずだ。

初めにすりこまれた「いいボス」の幻影を、論理的思考で振り払ってほしい。




人を人とも思っていない(思えない・生まれつき思う能力がない)ボスは確実に存在する。

もし「何かヘンだ」と思ったら、まずは立ち止まって冷静になってほしい。

そんな環境ですり減りたいのか、それとも、もっといい環境に移りたいのか、まずは自分自身に尋ねてみてほしい。

自分の中に答えが見つかった瞬間から、世界が変わり始める。心から望めば、もっといい環境は必ず見つかる。

焦らず、卑下せず、まずは冷静・客観的に今の状況を見直してみてはどうだろう。





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参考:事象の地平線(ブログ) 不安定な身分だからこそ自分の身は自分で守れ  



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意味があるかないか謎なコメント:

筆者(佐藤未果)はうつ経験者です。うつ病に関するエントリも書いてますので良かったらご参考下さい。

http://ameblo.jp/flowering/theme-10000481339.html

(うつ病だと分かったら、まずは病気を治すのが先決ですよ~☆)

モラルハラスメントのエントリも参考になるかも。

http://ameblo.jp/flowering/theme-10002015252.html


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このエントリは、私が実際に目にした「崩壊寸前の2つの研究室」(どちらも私のいた所!)、および人から直接聞いた話を元に構成しています。

今の生活について近況報告


このところ、このブログにいったい何を書けばいいのか

さっぱり分からなくなってしまっているので、

とりあえず思いつくまま近況報告。



・アルバイトを始めました。

ごめんなさい、うそです。もう数ヶ月続けています。

とある広告代理店で、校正のアルバイトをやっています。

校正の仕事はすごく才能あるみたいで、すらすらできます。


・校正の資格を取るために、勉強を始めました。

去年の10月くらいに始めました。

資格の勉強を始めてすぐにアルバイト先が見つかったため、

勉強そのものは、ちょっと停滞中です。


・フリーライターを始めました。

だいたい今年の1月くらいから、いろんな媒体で

ぼちぼち文章を書き始めました。

初めは無給でしたが、最近は少しずつ収入に結びつくように。




「佐藤未果は博士号をあきらめたのか?!」と

思われるかもしれませんが、そうではありません。


すべては、博士号を取るために

今の私に足りない能力を、仕事を通じて得るのが目的です。


(初めは自分でもよく分かっていませんでしたが、

どうやら私の無意識君の目的はそこにあったみたいです。)




博士号を取るために必要な能力のうち、

今の私に足りないものは、


・論文を書くための文章力・構成力

・必要な部分を正確に把握し、抜き出す能力

・人に物事を上手に伝える力

・頼れる人を見抜く力、頼れる人にはきちんと頼る能力

・いい結果が出る日を気長に待てる心の余裕


中でも特に、心の余裕が大事ですね。

「他の分野でも生きていける」と分かっていれば、

そんなにせっぱ詰まらないでいられるはず。



「論理力」「分析力」「実験の組み立て能力」

「酒を楽しく飲む力」は元々あるので、

あとは足りない能力が一通りかつそれなりに身について、

いいタイミングが訪れた時、

私は研究社会に復帰すると思います。



その日までは、もうしばらくかかりそうかな。

今後の見通しが立つまでは、とりあえず

今の生活を続けておこうと思います。




(分野の勉強しろよ!と言われそうですが、

分野の勉強するほどの余裕はまだありません。

なので、まだおいときます)