早大教授不正受給、その後 | 博士号取得大作戦! -presented by Mika-

早大教授不正受給、その後


早稲田大学の教授、松本和子先生だったんですね。

うはー、私、この先生に会ったことありますよぅ。


なんだったかな、何かの研究会で、たまたまご一緒して

何かを食べながらちょこっとお話をした覚えがあります。

女性だし、教授としてバリバリ仕事されてて

実績もある方でしたよ。


ご本人はちゃきちゃきしていて、

ずばっと物言うタイプの女性です。

研究会でもずばっと真理をついた発言をなさっていました。

ちらちらと悪い噂みたいなものも耳にはいっていましたが、

(研究室の人がどんどん辞めていく、とかね。)

いやはや。



このニュースを受けてか、

文科省が研究費の不正対策に乗り出すようですね。


研究費不正対策、全国の大学を調査へ 文科省

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606140844.html


不正をする人はもちろん罰せられるべきですが、

不正がなぜ生まれるか、そこのところを

ぜひしっかり調べていただきたいと思います。




松本教授がしきりに「学生のためにプールしたお金だ」と

言っているのは、うそではないと思います。


読者の方はご存じかどうかわかりませんが、

研究活動には本当にお金がかかります。

実験のための試薬・機器の他にも、

・論文誌への会員登録費用

(登録しないと論文が投稿できない)

・学会への所属費(所属しないと学会を見にいけない)

・学会参加への旅費

(学会発表するには、その場所へ行かなきゃいけない。

その度に、日本全国・世界各国への旅費が必要)

などなど、一回数千円~数万円単位で

その度ごとに雑費として出ていきます。


本職の研究者(ポスドク含む)には、これらの雑費が

所属機関等から支給されるケースもありますが、

学生には、そういう制度は全くありません。


博士号を取るためには、論文や学会発表などで

研究者としての経験を積まなければならないのに、

そのための費用は全部自腹。

研究してたら、もちろんアルバイトをするヒマなんて

全くありません。(寝るヒマもないのに)

たまたま助成金や学振が当たった学生なら

財政的になんとかなりますが、

応募してもダメだった学生は、相当厳しいんです。


学生と言ったって、博士課程ともなれば

24~27歳のいい大人ですよ。

いい大人だけど、ろくな給料も得られずに

必死に研究活動しているカワイイ学生が、

学会費用が払えなくて学会に行けません、

って泣きついてきたら。

あなたが教授だったら、どうします?



別の用途のお金が余ってたら、

こっそり回しちゃおっかな、って、

思ったりしません?



もちろん、これをやってしまうとアウトです。

文科省の研究予算は、国民の税金ですから。

だから、松本教授は、

当然罰せられなければいけません。



でも、学生の厳しい現状は、わかっていただきたい。

日本のこれからの研究をになうであろう人材を

育てるシステムとしては、

現状はあまりにもお粗末では?

(COEで少しはマシになったけど、

COEの恩恵を受けられない学生も大勢います)

科学技術立国が聞いてあきれますよ。


実際、気の毒な学生を

教授自らポケットマネーで救っている例は

たくさんあります。

でも今は世知辛い世の中になっていますし、

教授の余裕はどんどんなくなっていっています。

そういう美談に頼るばかりでは、

どこかでいずれ崩壊します。

(というか、崩壊はすでに始まっている)




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◆ニュースリンク集◆


早大、教授の研究費「私的流用」認める 懲戒処分へ

(要するにクビ)

http://www.asahi.com/national/update/0623/TKY200606230539.html


文科省、研究費不正流用で早大調査 省内に対策チーム

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606260428.html


流用の早大教授、2年前にも架空取引疑惑 大学報告せず

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200606230599.html