詳しくは言えない雑感 | 博士号取得大作戦! -presented by Mika-

詳しくは言えない雑感


最近たまたま立ち寄ったスーパーで、白金ナノコロイドという物質が入っている飲料水を見かけた。他にも化粧品とか、健康食品とかに配合されていて、ちょっとした白金ナノコロイドブームらしい。効果は「抗酸化」。「サビない体になるために」みたいな、老化防止をにらんだ物質のようだ。

でもね、もしかしたらこれ、うーん、多分ちょっとアレだよ。まだあんまり大きな声では言えないし、詳しくも言えないんだけど、これ、ちょっと避けといた方がいいと思う。悪いこと言わないから、コエンザイムQ10にしときなって。


他にも、「あれはちょっとヤバイよ」と思うものは世の中にいくつかある。この際だからこっそりお伝えすると、まず、アメリカ産牛肉はヤバイ。アメリカでは数年前から、ヤコブ病とおぼしき患者が増えてるっていうレポートがあるんだよね。私は頭がスポンジになりたくないので、牛肉は産地を選んで食べてる。

それと、高磁場を使った体内スキャン装置もあまり良くないと見ている。エックス線レントゲン装置で検査を受けたおかげでガンになってるケースが実はけっこうあるんだけど、ある論文を見る限り、高磁場の装置もそのくらいの危険を含んでいると私はにらんでる。


まぁ、どんな生活しててもすべての危険を0にすることはできないから、多少のリスクは仕方ないんだけどね。レントゲンにしたって、その検査をしたおかげで助かっている命がたくさんあるわけで。つまり得られるベネフィットとリスクを両方検討して、どの程度までならリスクを負うかってことだよね。まぁ、あえて自分から危険に飛び込む必要はないという気もするけど。


反対に、悪の権化のように言われているダイオキシンは、実は人間には全く無害であるという説がある。実際、1976年夏にイタリアの街セベソで化学工場が爆発した際、推計で数百gものダイオキシンを含む灰が飛び散り、それを浴びた人間は全部で3万人以上いたのに、死亡者はゼロ。たった1gで1万人以上の人間を殺せると名高い(?)ダイオキシンが、実際には数百gでただのひとりも殺せなかったこの事実。いったいどこが猛毒なのか、というわけだ。

一方、モルモットやマウスなどを使った動物実験では、「ダイオキシンの半数致死量は0.6μg/kg(モルモット)。ほんのちょっぴり与えただけでも半数が死んでしまう猛毒だ」という結果がじゃんじゃん出ている。前述のセベソでも、ウサギなどの小動物は3000匹以上死んだらしい。

これらの情報がすべて正しいとすると、導き出される答えはこのようになる。すなわち、「人間以外の動物はダイオキシンに弱いけど、人間だけはへっちゃら」。なぜか。

そもそもダイオキシン類は火で食物などを炙ればすぐに発生する物質だ。すると、古来から火を使って食物を処理してきた人類は、大昔からダイオキシンを食べまくっているということになる。それならなじみこそあれ、毒になんてならないのかもしれない。反対に、実験用の動物を含む人間以外の小動物は、先祖代々ずーっと火で炙った食べ物を食べた経験なんてないから、ダイオキシンに弱いままだということか。これは単なる推論だけど、我ながら面白い説だ。


とはいえ、まさか自分で致死量(と言われている)ダイオキシンを飲んで人体実験してみる勇気はないなぁ……と思っていたら、「ダイオキシンは無害だと主張して、実際に致死量を飲んでみた日本人の科学者がいる(そして存命)」というウワサを聞いた(笑) ホントかどうかまだ裏が取れないんだけど、ウワサがもし本当なら、その科学者は本当の意味で命をかけて科学している、尊敬すべき人物だと思った。

大事なのは「平気そう、害はなさそう」または「危なそう」な雰囲気とかじゃなくて、確かな事実を尊重する科学の心だよね。なんて、柄でもなくマジメに声を大にしていいたい秋の日でした。